子どもの自我が芽生えた頃、誕生の瞬間から自分の分身だと思い込んでいた小さな存在が、実は自分とは全く別個の人間なのだという事実を突きつけられた。それから10年余りがたち、その子は15歳になった。 初めて親になってから十数年間、たくさんの刺激的な「初めての瞬間」を一緒に体験させてもらった。そして今、初めての思春期を(再)体験中。思春期というと、渦中の10代が主役とされがち。でも、実は意外と、親の方が大きな役を与えられているのかなと感じる。そう、裏の主役。10代の子を持つ親が、子を自由に解き放ってあげること。この思春期の物語の隙間にある「スピンオフ」をしっかり綴ることが案外重要なのかもと、最近思う。 アラフィフ坂から見下ろす10代の海原はキラキラと眩しい。ところどころに見える荒波や渦潮だって、冒険の予感にワクワクする。一緒に漕ぎ出したい気持ちを抑え、この陸の上から見守ることがスピンオフのストーリーラインだ。ってことは、かなり地味な内容になりそうなスピンオフだけど、親世代限定公開ってことで。 When my first child started to develop her own identity at the age of 2-3 years old, I had to accept the fact that the child, whom I was believing as my alter ego since her birth, was an individual person with […]