西部劇さながらの砂埃が舞う駐車場、カウボーイハットとウエスタンシャツでドレスアップした人たち。彼らとともに飲み込まれた先には、絵にかいたようなアメリカンなビュッフェが出迎える。スペアリブやコールスロー、ホットドックやコーンブレッドを頬張り、腹ごしらえが済んだところで三々五々、ロデオ会場へ移動する。 「郷に入りては」の心境で、でも必死に流れに身を任せる自分は、盆踊りに行くかのような超リラックスしたムードの「勝手知ったる」地元の人たちとは対極に位置すると言ってもいいくらい。我ながら失笑するくらい、浮いていたと思う。 そこそこ生きていると、不慣れな状況でも大概のことは過去の経験が助け舟を出してくれるものだけれど、異国の地にいると、勝手もわからず、応用も効かない場面に遭遇することは少なくない。大人になってからの初体験は、思いのほか緊張する。アメリカでのロデオ体験はまさにその一つだった。 色あせたカラフルな売店、保温機のオレンジ色の電灯に照らされたフライドポテト、これと言って買うものが見当たらない土産物屋。とてもシュールなビジュアルは、デビッド・リンチの映画に紛れ込んでしまったみたいだった。そして、この「本番前の儀式」があまりにも刺激的だったので、個人的には本題のロデオは記憶の中で少し霞んでいる。ごめんよ、カウボーイ。 At a dusty parking lot reminiscent of the spagehtti wertern, there was a crowd dressed up in a wertern shirts with a cowboyhat. Following where they went, I entered a room of an extensive buffet filled with spare ribs, bacon and […]