NYの地下鉄はストリートパフォーマーに遭遇することが何度かあった。ジャズっぽいドラマーやポップなパーカッショニストは、これぞNYという感じで気持ちが上がった。でも、どこか見たことのある風景という感覚は否めず、シャッターは切らなかった。 この彼女に出会ったホームは、バスキングスポットとして象徴的な場所ではないように思う。そして、彼女自身も、大きな動きで目を引き付ける存在というよりは、静かすぎる佇まいが目を引き付ける感じで、不思議な空間を作っていた。でもそれが無性にリアルで、とても興味を引き付けられた。正直、彼女がどんな音楽を演奏していたのか思い出せない。でも、この憂いのある伏し目がちの表情は、今でも記憶に残っている。 ストリートミュージシャンに出会うと、いろんなことが頭を巡る。その人の夢、日々の暮らし、音楽への愛。デジタルで音楽を聴くことに驚くほど慣れてしまった今でも、やっぱり音楽は生がいい。人前でパフォーマンスをすることの楽しさや、恐さを知っているミュージシャンの端くれとして。 In the NY subway, I often encountered street performers. From a jazz drummer to a pop percussionist, they looked like the very New Yorker to me, and I got really excited everytime I saw them. But somehow, I couldn’t help feeling ‘I […]