床屋には、流行り廃れに左右されない独特な佇まいがある。この空気感は、国が違っても共通しているように感じる。そのスタイルは、正直言うとおしゃれではないのだけれど、そのオフ感が一周まわってクールというか。ブレない感じが、とても惹かれる。男の美学を追求する場所、客も店員も真剣勝負、ガラス越しに見えるその微妙な緊張感。私が女ばかりの家庭に育ったので、未知の世界への興味がそう思わせるのかもしれないが、床屋には理屈では説明できない魅力がある。 NYのウェストブロードウェイ近くで出くわしたこの床屋は、何が特別なのかと聞かれると、ネオンのハサミが可愛いこと以外、正直これといった特徴はない。でも、どこの国にあっても「どこにでもある一軒」になるところが床屋の魅力だと思う。みんな似ている、でも、微妙に違う。変わらない時間が、ずーっと流れている感じが、たまらなく渋くて好きだ。 A barbershop has a distinct style which is never affected by changes in fashion. Its aesthetics are consistent regardless of the country in which it is located. The shop design is not cool, I would say, but its off-ness is too off, and […]