All posts filed under “Berlin

行きつけのインド

よく日曜日に外食をしていたこのインドレストランは、今ではテイクアウトしかできない。お客一人座っていない暗がりのフロアを、客としてみることになるなんて夢にも思わなかった。この情景を見た時、茫然として、たまらなく悲しくなった。 でも次の瞬間、閉店後の友達の店にきたような、親密な空気を感じたのは否めない。「何か食べてく?有り合わせだけど」そんな声が聞こえたような気がした。 This is an Indian restaurant where we used to eat out but now, they are only allowed to offer takeaways. When picking up our order, I encountered this dim serving area, which I never expected to see as a customer of the restaurant […]

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ドイツの散歩道

*Please scroll down for the English version. 「フリートホフ(墓地)に散歩に行かない?」と初めて誘われたとき、私は正直ひるんだ。墓地の散策? 前情報がない私には、何をどう考えても散歩が楽しめる場所とは思えなかった。不安ながら好奇心に引っ張られて実際に足を運んでみると、そこにはフツーに散歩を楽しむドイツ人の日常があった。ゾンビ映画のようなおどろおどろしい雰囲気は微塵もない。 直訳すると「平和の中庭」という意味のドイツの墓地は、教会に隣接していて、街の中心にも点在する。比較的広い敷地には、野鳥やリス、昆虫などの生き物が生息し、木々や草花が溢れ、死者が眠るところというよりは、生命の穏やかなエネルギーに包まれている。これがパワースポットとは言わないけれど、不思議と気持ちが落ち着いて、考えを巡らせるのにピッタリのフリートホフは、ドイツ人ご用達お散歩コースの一つだ。 “Would you like to go for a walk in a graveyard?” When I was asked first time, I felt a little scared. However hard I tried, I couldn’t get my head around why graveyard? It […]

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Berlin AD No.1

ドイツの広告は、ショックを受けたり、恐がるかもしれない人のセーフガードを付ける忖度をしない。広告はある意味「大人仕様」で、そのインパクトを広告効果へと逆手に取ってるな、と思うときもある。このポスターの好き嫌いは分かれるかもしれないけれど、とにかく目をひきつけられるし、こんなに尖がったデザインをポスターに採用するベルリンって、かっこいいなと思う。(ちなみに、サイバー攻撃の危険を訴える内容) コミュニケーションがダイレクトなドイツは、さりげなさや控えめな表現を美徳としない。オブラートのかかっていない直球さは時にショッキングで、最初はとてもびっくりしたけれど、実際、世の中というものは汚いものも恐いものも、きれいでかわいいものと同じくらい溢れている。こっちの子供が時々に大人びて見える理由は、「大人仕様」の環境から色々と学んでいるからかもしれない。 German Ads have no safeguard for a potential audience who might be scared or shocked by their expression. It is made, in a sense, “for grownups” and I sometimes think, they maybe use that impact as an effect of the Ads. Whether you […]

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Verboten!

国立歌劇場近く、プロイセン宮殿建築現場をぶらりとしていた時のこと。表通りに面した工事現場を囲う板塀で、この「張り紙禁止 (bekleben verboten)」の文字に出くわした。一瞬、グラフィティかとも思う、強烈な存在感。遠くの交差点まで続くこの板塀を目で追ってみると、張り紙などは見えず、まっさらだった。 日本人的な目で見ると、このスプレー文字そのものが禁止行為なんじゃないか?と感じるけれど、単刀直入なコミュニケーションをよしとするドイツ人的な目で見れば、「禁止すること」を伝えたいんだから、効果的だよね?となる。 I saw this sign: “No Sticker” when walking down Unter den Linden near the construction site of Berlin Palace. The warning sign was sprayed on a wall that fences around the Palace. A clean wooden wall. Nothing was written or put […]

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