All posts tagged “streetphotography

本家はどちら?

日本とフランスは同じレベルで両想いだと思う。歴史的背景は、まったくといって言いほど共通していないけれど、フランス人は日本文化の侘び寂びやカワイイの感覚を理解しているように感じる。とは言え、フランスはラテンの国。彼らの立ち居振る舞いを見ていると、日本人のこじんまりとした島国の生き様とは対極に映ることの方が多い。熱情的で、周りの目などどこ吹く風、横柄なところもなくはない。お互い、自分にはない所に惹かれ合っているのかしら。 パリの地下鉄のドアにこのステッカーを見つけた時、両想いがここまで募っているのか!?と笑ってしまった。日本の電車のドアにも、これと酷似したステッカーが貼ってあるから。本家はどっち? I think Japan and France love each other at the same level. Though our historical backgrounds are completely different, it seems to me that French people understand the feel of Japanese culture such as Wabi-Sabi and Kawaii. However, France is a Latin country. […]

Leave a comment

photogenic

アメリカはフォトジェニックだ。そのサイズ感、プレゼンテーション、色、空気。このオレンジ色のごみ袋も、なぜかかっこいい。ちょっと考えてみても、道端のごみ袋がここまでカッコいい国は、ほかにはないと思う。 「こうなのだ」と肯定する力はパワフルだ。アメリカのカッコよさを裏付けるものはそこだと思う。間違っているか、そうじゃないかは関係ない。そして、この「肯定力」にいつも圧倒される。「これでいいですか?」と、常に周りと協調することを良しと教えられてきた自分には、この直球の肯定力は眩しい。オレンジ色のごみ袋、眩しいぜ。 America is photogenic. Size, presentation, colours and space. Everything is so big and vibrant, and has full of energy. Even a garbage bag is photogenic, and probably you cannot find any other place but America, where a garbage bag on the roadside looks […]

Leave a comment

やさしい人々

動くたびに視線がピタッと付いてくる。明らかな訪問者である、私の一挙手一投足を見つめる目。険しい表情が監視しているのだろうと、その視線の持ち主にそっと目をやると、そこには歩き始めた子を背後からそっと見守る親のような眼差しと、柔らかい笑顔があった。 ブカレストでは、たくさんの優しい笑顔に癒された。温かいお母さんがブカレストなら、ベルリンはちっとも褒めない硬派なオヤジ。愛がない訳じゃないけど、不器用。ちょっとひねくれてもいる。ベルリンのツンデレも惹かれるけど、褒められて伸びるタイプの私には、ブカレスト的な親がほっとする。 Every time I moved, a silent stare followed me very closely. Eyes stared at every move I, the obvious visitor, made. I thought there must be a serious face checking on me. But when I moved my eyes towards the gaze very slowly, […]

Leave a comment

小さな魔法

*Please scroll down for the English version. 小さな店先のショーウィンドウが好きだ。一枚のガラス板を挟んで、外と内の2つの空間がシンクロする。 ヨーロッパ、特に東欧の街に行くと、日本では減ってしまった個人商店がまだ軒を連ねていることが多い。その独特の装飾やデザインのショーウィンドウは、物珍しいというだけでなく、その店のセンスが光っていて目をひきつけられる。ウィンドウの外側から透けて見える中の世界は、異国情緒も相まって好奇心が掻き立てられる。 ブカレストで出会ったこのショーウィンドウは、カラフルな半透明のシールのようなものが窓に貼られていて、通りの反対側が鏡のように映り込んでいた。裏と表の風景が幾層にも重なりあって、ちょっと幻想的でもあった。 I love shopfront, especially the ones of privately owned shop. It is fascinating to see that two worlds, inside and outside, are synchronized with a glass plate separating them. Comparing to Japan, there are still […]

Leave a comment

where is your home?

普段何気なく目にしているものが、実際はどこから来たのかを知ると、親近感が湧く。ベルリンのたまに行くカフェのバーカウンターに、この「TABAC」のサインがかかっているのは長年目にして来たけれど、初めて訪れたパリの夜道で遭遇した時、あ、「お家はここだったのね」と妙に納得した。それもそのはず、件のカフェはギャルソンというフレンチカフェだから。 「TABAC」のサインはフランスのもの。知っていれば、そこまで驚かない。でも、世の中にはこういう点と点が繋がって納得する瞬間がたくさんある。外国に行かずとも、外国のものがたくさん集まっている日本で暮らしていると、旅先でふとした瞬間にこういう発見をすることが少なくない。知らなかったの?と言われたらそれまでだけれど、「本家」を知ることは、視界が開ける感覚と似ていて気持ちがいい。 When you learn the origin of the thing, which you have seen so many times nearly unconsciously, you kind of feel closer to it. I have seen this “TABAC” sign at the bar counter in a berlin café where I go sometimes and […]

Leave a comment

電線

たまに電線が恋しくなる。言ってみれば、ただの「棒と線」なのだけれど、そこに繋がっている家や人を空想するのが楽しい。電線と郷土愛を結びつけるのは無理がある。でも、間違いなくノスタルジーを感じる原風景の一つと言っていい。 ドイツには電線がない。少なくとも都心の電線は地下に潜っていて、街の景観はすっきりしている。言い換えれば、殺風景だ。片付いた部屋は気持ちいいけど、片付きすぎた部屋が疲れるのと同じで、すっきりしたドイツの景観、さらに言えばそのシステムには時々疲れる。 だから、イギリスでこの電線を目撃した時は、かなり盛り上がった。この放射状のへんてこな構造には、「人間らしさ」という壮大なイメージさえ感じてしまった。いつもきちっとしてなきゃ、と思わされている自分の心が、「これでもいいんだ」とほっとした。 Sometimes, I miss a power pole. It’s just “a stick and a line” but I like to imagine where it leads to, people and their life connected to the end of the line. To associate an electric line with my love for […]

Leave a comment