ブカレスト市街の路線バスで、美しい女性に出会った。この人もきっと、ルーマニアの激動の歴史を体験したのだろうと勝手に想像しながら、その清楚な佇まいに見入っていた。普段なら、こっそり写真に収めて、、、と思うところだが、思い切って声をかけた。笑顔でカメラに向かう彼女、慌ててシャッターを切る私。 偶然、私たちは同じ停留所で降りた。彼女は、しわくちゃの笑顔で私の手をぎゅっーと握り、感極まって、力いっぱい私の肩を抱き寄せた。その状態で、私たちはしばらく通りを一緒に歩いた。言葉はまったく通じない。 言葉がわからなくても通じ合える時がある。できる限りのすべてを使って、「自分をさらけ出すコミュニケーション方法」が、異国の土地にいる楽しさが、私が旅を大好きな理由だった。でも、ドイツ生活が長くなり、通じないことが不便で不都合な場合が増えて、この感覚をすっかり忘れていたなぁ…。そんなことを一瞬の間に頭に巡らせながら、とても嬉しそうにルーマニア語で話しかけてくる彼女の顔をじっと見ていた。 I met a beautiful lady In a local bus in Bucharest. While I was taken by her elegant and sweet aura, I imagined her life which surely went through the turbulent history of Romania, of course, without knowing her personally. I often […]
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Meeting point
何かいいことありそうな、目印。いつもキョロキョロして歩いている私は、こんなサインを見つけると、ワクワクしてくぎ付けになる。 電柱のないベルリンでは、信号機の柱が掲示板として重宝されている。「部屋探してます」「ギターレッスンします」「猫がいなくなりました」。そんなメッセージボードを見ながら暮らしているので、ブカレストの街でこのマークを見て、何かのお知らせなのかと勘繰った。 I felt like this sign is telling me something good will happen right here. I am always looking around when I walk, to see if there is any “sign”, anyone interesting or anything that I should pay attention to (otherwise no one would). […]
嬉しい人々
工事現場で見かけたこの男衆。最初はやや鋭い視線で私を見ていたが、写真を撮りたいと話しかけると笑顔になり、ネクタイを締め直さんとばかりにちょっとかしこまった風にカメラに向かった。「俺、もう日本で有名人だね」と、片言の英語で言うと、クシャと笑った。 ブカレストの人は優しかった。東欧の冷たいイメージが先入観という箱にすっぽりはまっていたので、一見険しく見える彼らの表情が、素朴な笑顔でくずれるのを見て正直拍子抜けした。この旅では、久しぶりに意識的に人を撮った。 旅が好きだ。知らないことを、知らないと言えて、知りたいことを探求できるから。生活することで得る知識や経験も素敵だけど、未知の文化に飛び込む感覚は、格別に刺激的だ。 These gentlemen I saw at a construction site were looking rough at first, but as soon as I talked to them asking that I wanted to take a picture, they smiled very gently. As if they were trying to fix their tie […]
スイスは電気を消さない
倹約上等のドイツ文化が染みつき、薄暗いベルリンの生活が長すぎてしまったからか、スイス人の電気の使い方がいやに気になった。 半屋外の照明が昼間から点灯し、同居人のスイス人も部屋の電気がつけっぱなしでも気にしていない風。もったいないじゃないか!と心の中で叫ぶ。何故だ?と心の奥で考える。でも裏を返せば、そんなこと気にしなくてもいい余裕が、スイスなのかもしれない。 Swiss will never get dark! I encountered situations where the light was on even in the daylight, or a room mate seemed to forget to switch off after using a bathroom. I simply wonder why? Is it because I lived in Berlin too […]
BERLINER-SWISS
チューリッヒに到着して初めて目に飛び込んできた車。ベルリンと対極に位置するような、この秩序ある豊かな街で、この「ベルリンぽい」車がどれだけ珍しいものか、その時は気づかなかった。 「ようこそスイスへ!」と言われているような、ほっと嬉しい気持ちになった。 This was the first car that I encountered in Zurich. I didn’t know then how special this car was in this super orderly and affluent city, which is the polar-opposite of Berlin. This car made me feel “home” and welcomed. photographed in aug/2020