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Street performer

NYの地下鉄はストリートパフォーマーに遭遇することが何度かあった。ジャズっぽいドラマーやポップなパーカッショニストは、これぞNYという感じで気持ちが上がった。でも、どこか見たことのある風景という感覚は否めず、シャッターは切らなかった。 この彼女に出会ったホームは、バスキングスポットとして象徴的な場所ではないように思う。そして、彼女自身も、大きな動きで目を引き付ける存在というよりは、静かすぎる佇まいが目を引き付ける感じで、不思議な空間を作っていた。でもそれが無性にリアルで、とても興味を引き付けられた。正直、彼女がどんな音楽を演奏していたのか思い出せない。でも、この憂いのある伏し目がちの表情は、今でも記憶に残っている。 ストリートミュージシャンに出会うと、いろんなことが頭を巡る。その人の夢、日々の暮らし、音楽への愛。デジタルで音楽を聴くことに驚くほど慣れてしまった今でも、やっぱり音楽は生がいい。人前でパフォーマンスをすることの楽しさや、恐さを知っているミュージシャンの端くれとして。 In the NY subway, I often encountered street performers. From a jazz drummer to a pop percussionist, they looked like the very New Yorker to me, and I got really excited everytime I saw them. But somehow, I couldn’t help feeling ‘I […]

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photogenic

アメリカはフォトジェニックだ。そのサイズ感、プレゼンテーション、色、空気。このオレンジ色のごみ袋も、なぜかかっこいい。ちょっと考えてみても、道端のごみ袋がここまでカッコいい国は、ほかにはないと思う。 「こうなのだ」と肯定する力はパワフルだ。アメリカのカッコよさを裏付けるものはそこだと思う。間違っているか、そうじゃないかは関係ない。そして、この「肯定力」にいつも圧倒される。「これでいいですか?」と、常に周りと協調することを良しと教えられてきた自分には、この直球の肯定力は眩しい。オレンジ色のごみ袋、眩しいぜ。 America is photogenic. Size, presentation, colours and space. Everything is so big and vibrant, and has full of energy. Even a garbage bag is photogenic, and probably you cannot find any other place but America, where a garbage bag on the roadside looks […]

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taste of home

外国で生活していると、おふくろの味が故郷の味になる。そして、故郷の味が必ずしも和食ではなくなり、アジアの味が故郷の味へと進化を遂げる。なかでも中華料理は、日本食が恋しくなるのと同じくらい愛着がある味で、美味しい中華を食べれた日には心の中からすーっと力が抜ける。生活様式や価値観は似ていない中国の味を、故郷の味のように位置付けてしまうって乱暴だけれど、正直ほっとしてしまうのだからしょうがない。 NY州の小さな町にあるこの中華料理屋は、時間が止まった店の空気と、アメリカにいながらもっとも非アメリカな空間がたまらなく安心感を与えてくれる。アメリカ帰省時の、私の「おふくろの味」だ。 20年も住んだドイツを、もしもいつか離れる日が来た時、次の土地で懐かしく思い出す「ドイツのおふくろの味」は何だろう。サワーブレッドと酢漬けの魚、赤ワイン。カルテスエッセンかもしれない。 Living in a foreign country for a long time, the taste of mom’s cooking will become the teste of home. However, the teste of home is not necessarily Japanese, and the taste of Asia evolves into the taste of home. Among other […]

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gentlemen’s circle

床屋には、流行り廃れに左右されない独特な佇まいがある。この空気感は、国が違っても共通しているように感じる。そのスタイルは、正直言うとおしゃれではないのだけれど、そのオフ感が一周まわってクールというか。ブレない感じが、とても惹かれる。男の美学を追求する場所、客も店員も真剣勝負、ガラス越しに見えるその微妙な緊張感。私が女ばかりの家庭に育ったので、未知の世界への興味がそう思わせるのかもしれないが、床屋には理屈では説明できない魅力がある。 NYのウェストブロードウェイ近くで出くわしたこの床屋は、何が特別なのかと聞かれると、ネオンのハサミが可愛いこと以外、正直これといった特徴はない。でも、どこの国にあっても「どこにでもある一軒」になるところが床屋の魅力だと思う。みんな似ている、でも、微妙に違う。変わらない時間が、ずーっと流れている感じが、たまらなく渋くて好きだ。 A barbershop has a distinct style which is never affected by changes in fashion. Its aesthetics are consistent regardless of the country in which it is located. The shop design is not cool, I would say, but its off-ness is too off, and […]

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